
物語り その15
中生代の海洋は温暖化の影響で時間とともに変化していったが、当時を象徴する「アンモナイト類」と「イノセラムス類」は、状況が許せば今でも生存していた可能性がある。しかし、約6500万年前、チクシュルーブ小惑星が地球に衝突し、恐竜をはじめ当時存在した種の半分以上が急激に絶滅した。なお、この絶滅は小惑星の衝突という単発のイベントだけが誘因ではなく、衝突の前にデカン高原での噴火で大気中に多量のメタン、二酸化炭素、二酸化硫黄などの温室効果ガスが放出されたため地球の気候と環境が激変し、大量絶滅が誘発された。デカントラップが世界を弱らせ、隕石がとどめを刺したのである。